構音のリハビリ
食べ物を誤嚥せずに飲み込めるようになると,つぎはしゃべりのリハビリです。
気管カニューレに蓋をすると,声が出せます。が,まずはバルブを付けて過ごすようにして,その時間を徐々に延ばしていきます。バルブを付けた状態はけっして楽ではないので,付けることに慣れる必要があるのです。
そして手術から2週間ほどしてスピーチバルブを付けるようになりました。この状態だと酸素マスクを付けなくてもよくて,なによりも喋れる! のです。
スピーチバルブは,
気管切開をしたまま声を出すための道具です。……いくつか種類があります。どの種類も息を吸う場合は空気が通りますが、吐く場合は空気が流れないような一方方向弁になっています。(「子どもの気管切開なび」https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/kankaku-keitai/navi/cat6d.html)
トイレに行くにも(付き添ってもらっているので),夜寝るときにアイスノンや眠剤を頼むにも,痰が絡んで苦しいときにも,気になることがあって訊ねたいことがあるときにも,いちいちノートに書く必要がありません! 話せるというのはなんていいんでしょう!!
ただ,出しづらい音があって完全にしゃべれるわけではないので,「構音」の訓練をします。ドリルブック(『構音訓練のためのドリルブック』協同医書出版社)を使って,
じょ(語頭)
じょし/じょおう/じょうき/じょうぎ/じょきん/じょうげ……
じょ(語尾)
まじょ/えんじょ/おうじょ/きんじょ/きゅうじょ/じゅんじょ……
じょ(語中)
ほじょいす/おじょうさん/かいじょけん/すいじょうき……
じゃ じゅ じょ(文)
じゅんばん きめよう じゃんけんぽん
いっきに じょそう じょうずに ジャンプ
かんじょうせんは ねんじゅう じゅうたい
……
と,ひらがなとカタカナで書かれた語や文をひたすら読んでいくのです。
構音とは,
口から言葉を出すときにその要素である音を発することを構音という(コトバンク)
で,構音障害とは,
ことばを理解しているし、伝えたいことばははっきりしているのですが、音を作る器官やその動きに問題があって発音がうまくできない状態を構音障害と言います。(歯とお口のことなら何でもわかる「テーマパーク8020」)
構音障害があると,
構音障害があると話の内容が相手に伝わりにくかったり、相手が話し手の音に不自然さを感じてしまい、コミュニケーションに支障をきたします。 (歯とお口のことなら何でもわかる「テーマパーク8020」)
ということなのです。
よくこれだけ語例を集めたなぁと感心しつつ,なので,集中しないといけないなぁと,さらによけいなことを考えつつ(^^),リハビリの先生にちゃんと聞こえているか確認してもらって進めていきました。
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