口の中がいっぱい
飲込みや構音のリハビリが始まったころは,口の中が切り取った舌の代わりにお腹からもってきた=皮弁(ひべん)したものでいっぱいでした。意識しないと口がちゃんと閉じないくらいなのです。そのせいで,物を食べようとしたりしゃべろうとしたり,つまり口を開けようとするとヨダレがたら〜りと垂れてしまいます。なんだかひどく衰えた気がしたものです。
この皮弁したものは徐々に小さくなっていくのですが,小さくなっても,口を開けるときうっかりすると,ヨダレがたら〜り,となります。なんだかなぁ,です。
写真は「嚥下食移行食」(どろどろの「嚥下食ペースト」のつぎの段階)の魚のあんかけです。魚の形に成形したうえで「小さめ一口大」に切り込みが入っています。こんな工夫をしてもらうと,なんだか温かい気持ちになります。食べなくちゃ,という気にもなります。
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